本紙1月号で、本年度の税制改正大綱についてお知らせいたしましたが、中小企業の法人税率の引き下げが確定しましたので解説いたします。
法人税率の改正前の概要
(1)法人税(国税)
中小企業者等(一般社団法人・一般財団法人を含む)の各事業年度の所得の金額のうち年800万円以下の金額に対する法人税の税率は22%とされていました。また、公益法人等又は協同組合等については所得制限なしの一律22%とされていました。
(2)地方税
事業税は、各事業年度の所得の金額のうち年400万円以下については5%、800万円以下については7.3%。
都道府県民税は、(1)の法人税額に対して5%。市町村民税は、(1)の法人税額に対して12.3%とされています(自治体により若干異なります)。
(3)実効税率
中小企業者等の場合、各事業年度の所得の金額が年400万円までについては、(22%+5%+22%×5%+22%×12.3%)÷(1+5%)=約29.3%。年800万円までは約30.8%。
なお、公益法人等又は協同組合等については、所得制限はありませんので一律約29.3%となります。
中小企業者等の法人税率の特例
今回の改正によって、法人税率が22%から18%に引き下げられました。対象期間は平成21年4月1日〜平成23年3月31日までの間に終了する各事業年度となります。よって平成21年3月31日までに終了する事業年度は対象となりません。
この改正によって、中小企業者等の場合、年400万円までの税率については、(18%+5%+18%×5%+18%×12.3%)÷(1+5%)=約24.8%。年800万円までは約26.4%。
※計算式は簡便化のため地方法人特別税を考慮していません。
給与所得(役員報酬)との関係
法人役員の報酬は給与所得となり所得税が課されます。
給与所得者の場合、毎月一定額を源泉徴収され年末調整で課税関係が終了するため「いくら税金を払っている?」「税率はどれくらい?」などについて気にしていない方も多いと聞きます。
給与所得者の税率について、収入額に対する税率を表にまとめましたのでご覧ください。
表の税率は給与所得控除と住民税10%を考慮しています。見方は、給与収入のうち180万円までの金額は9%、304万円までの金額は10.5%という感じで計算します。
表より給与収入のうち660万円を超える部分の税率が27%になりますので、中小企業者等の実効税率24.8%の方が有利になります。
このような節税を追求するのは経営の本旨ではありません。ただ、給与所得が増えるにつれ社会保険料などの負担も増加します。今回の改正を機に役員報酬の見直しを検討するのも一考かと思います。
| 給与収入 |
税率 |
| 〜1,800,000 |
9.00% |
| 〜3,042,856 |
10.50% |
| 〜3,600,000 |
14.00% |
| 〜4,799,999 |
16.00% |
| 〜6,600,000 |
24.00% |
| 〜9,055,555 |
27.00% |
| 〜10,000,000 |
29.70% |
| 〜11,263,157 |
31.35% |
| 〜20,736,841 |
40.85% |
| 上記超の部分 |
47.50% |